若松ボートの「ルーキーシリーズ第4戦植木通彦フェニックスカップ第22回スカパー!・JLC杯 半分進入固定」は13日に優勝戦が行われた。インからコンマ09のスタートを決めた1号艇の定松勇樹(21歳=佐賀)が逃げを決めて1着。自身2回目の優勝を飾った。今節2日目にSGオールスター出場決定の知らせも届き、ダブルで嬉しい一節となった。
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レースを終えてピットに戻ってきたウィナーは、複雑な表情だった。とても喜び一色というわけではなかった。
ピット離れで3号艇の尾上雅也に完全に頭を押さえ込まれた。観衆はどよめいた。「緊張していた。反省です」と定松。
回り込んで1コースには入ったものの1人だけ流れ込む深イン。当日練習していない起こし位置から急遽のレースとなった。緊張に動揺も襲った。だが、過去のS特訓で練習した感覚を必死に思い出しレバーを握った。「焦りはありました。けど、いくしかなかった」。21歳は腹をくくった。
ライトに照らされる大時計を睨み、決めたスタートタイミングはコンマ09。「入っているのは分かった。ここで集中し直した」。スリットにバラつきはなかった。こうなれば定松がイン先マイ。白カポックが1マークに鮮やかな航跡を描く。マクリも差しも寄せつけずの気合いのイン速攻だった。「いいハンドルを入れて、いいターンが出来ました」。勝負は1マークで決した。
2着に尾上、3着に2号艇の高橋竜矢。配当は人気決着となった。
定松の優勝はこれで2回目。優勝戦1号艇は初の経験だった。「緊張しぃで、こういう場面で本当に緊張してしまいます。考えることもたくさん。余裕はなかったです」と頭をかいた。ヒヤリとするレースではあったが、また貴重な経験を積んだ一日となった。
そんな初々しいヒーローに今節期間中に吉報が届いた。5月のSGオールスターのメンバーに選ばれ、艇界の祭典に行くことが決まった。「感謝の気持ちでいっぱいです。もっとみなさんの期待に応えて、投票して良かったと思ってもらえるレーサーになりたいと思います」。
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(文:吉川)
着 | 枠 | 登番 | 名前 | タイム | 決まり手 |
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枠 | スリット | ST |
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